しおのーと

のんびり活動日記。毎週水曜更新予定。

『ミラクル』

『ミラクル』

著:辻仁成

 

「大人になっていく」ということを、肌で感じさせてくれた、

優しい、童話のような物語でした。

子供と大人の境界線を行ったり来たりする様子を、登場人物の一挙一動を通して

繊細に書かれています。

 

年を重ねて、躊躇なく口から出てしまうようになった「嘘」。

見えなく、感じとれなくなってしまった「友達」。

無償で与えられることに慣れてしまった「愛」。

純粋な気持ちを全部無くさず、私たちは大人になることは可能だったのでしょうか。

 

大人になって無くしてしまったものを、みつめなおし

胸の奥の澄んだ場所にある「自分」に触れる

きっかけを作ってくれる一冊だと思います。